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第五話 いらち

大阪人はいらちである。じっくり考えもせずにいきなり行動にでる。人の話を最後まで聞かない。信号が青に変わる前にフライングする。エスカレーターやムービングウォークではせかせか歩く。エレベーターに入ったら閉ボタンをやたら押しまくる。ウエイトレスの都合などおかまいなしに注文をがなりたてる…。こうして並べていくと、大阪人は、グレートないらちであることがよくわかる。

「苛ち」とは、すぐにイライラする、気の短い、せっかちさんのことをいう。でも、大阪では、気の長い人間というのはかなりめずらしいので、いらちというのは、大阪人の民族アイデンティティのようなものである。
大阪人のいらちがどれぐらいのものかというと、よく引き合いに出されるのが、歩行スピードである。「地域文化特性と運動行動」という国際交通安全学会誌によると、大阪人の歩行速度は、秒速1.60メートルで、ダントツの世界一なのだそうだ。2位が東京で1.56メートル、パリは1.46メートルという結果が出ている。地方の人が大阪に来てまずカルチャーショックを受けるのは、歩行中にあとからあとから人に追い抜かれていくことだという。大阪人は、ひとよりちょっとでも前に行った方がトクや、という強い思いこみで生きているのかもしれない。

信号に対する意識でも、大阪は特異なエリアである。黄色を見ると一般人は「あ、もうすぐ赤に変わるから気を付けよう」という意識を持つが、大阪人は「まだ、行ける」と思うのだそうだ。このように、大阪人の時間感覚というのは、いつも小走り状態なのである。吉本風に言うと、頭のなかでつねに、「あ、忙し、あ、忙し…」というセリフがリフレインしている状態が、大阪人の日常といえる。食のシーンで大阪人に多いのは、店の人が案内もしていないのに、勝手に席について、前の客が残していった食器をちゃっちゃと片づけだすタイプの人である。食器の山をテーブルの隅に積み上げて、しまいにはダスターを持ってテーブルをきれいに拭きあげてしまう。ウエイトレスがイヤな顔をしていると、「ねえちゃん、ワシがあんじょう片づけといたったで。あとで、バイト料もらわんとな、あははは…」と、一人でボケを入れたりもする。

いらちは、浪花の町人文化が育んできた、大阪人のおちゃめなサガである。だからみなさん、いらちな大阪人を見つけても、それが普通だと思って、大目に見てやってください。

本日のスキット

ある夫婦の会話

「おーい、あれ、どこいった、あれ」
「あれて、なんですの?」
「えーい、ワシがあれ言うて、わからんのか、おまえは」
「あんさんがわからんもん、うちがわかるわけあれへん」
「えーい、もうええ!ワシ、会社行って来る」
「ほんまに、いらちな人やな、あんさんは」
「ほっとけ、生まれつきじゃ」
「それはええけど、あんさん。ステテコのままでっせ」
「お、それや!ワシ、ズボン探しとったんやった」