椋本彦之さん写真 椋本彦之さん
スピーチ

椋本彦之でございます。グルメ杵屋という会社をやっています。私は、食堂業うんぬんではなかったのですが、昭和35年にスーパーの研修団の方と一緒にアメリカに行きました。そして、ハンバーガーチェーン展開を見て、これは面白い。中内さんと一緒に行ったのですが、スーパーなどはできないので、人間関係をつくってうどん屋さんかそば屋さんをやろうということで、チェーン展開をやりかけたのです。

大阪は「食の大阪」ということで、いろんなことをやりかけたのは事実です。兄弟も親父も全部反対されていましたが、「人の振り見て我が振り直せ」ということで、企業としてチェーン展開ということで一生懸命やりかけたわけでございます。今、約六百数十店を直営でやっています。元気寿司も247店ほどやっています。

一番いいのは、大阪を燃やしていくためには食産業ではないかと思っています。食い倒れというのが大阪の大きなポイントです。よって、これを燃やしていくことが一番大事ということで、今、大阪外食産業協会(ORA)で一生懸命いろんなことを燃やしております。

20年前に博覧会をやろうということで、食の博覧会を1985年にやり始めました。やるという1年前に、「博覧会をしたら赤字だ」と言ってやめようということだったのですが、がんこ寿司の社長と「やめたらあかん、やっていこう」ということで、一生懸命燃え上がってやりかけたものです。

今、食の博覧会を4年に一度ずつやっていますが、東京でもやろうということでやりましたが、あまりいいことはありません。北海道でもやりましたが、これもペケになりました。でも大阪は素晴らしい。6つのブースを全部使ってやるのはインテックス大阪が初めてです。大阪は食の大阪、燃やそう、ということで業界が燃え上がってきているのは事実です。政治的なことは東京ですが、食は大阪というような都市をつくっていくことが一番大切な、われわれの勉強の場なのかと思っているわけです。大阪外食産業協会も一生懸命、みんな燃えてきているのは事実です。東京でもJF(日本フードサービス協会)があるのですが、大阪の方が燃えてきています。「食産業というものをこれから燃やしていくことが一番大切なことではないか」とみんなが言っているわけでございます。

食産業は、おいしいだけではないのです。食というのは安全性と健康性です。おいしいのは当たり前、そのためには知恵を出さなくてはいけないということが1つの大きなポイントです。

6年ほど前に木津卸売市場とつながりができました。朝4時に起きて、ずっと回っていろんなことを勉強しましたが、これが大きな勉強になりました。外食産業の1つのポイントは、安全性をつくっていくことが大事だということです。全国の中でも一番安全性と健康性がある卸売市場をつくっていくことが大事だということで、来年から木津市場を建て替えます。

全国の卸売市場を見ても40年ぐらい前と全く変わっていません。例えばマグロも地べたに置いて取引をしています。長靴をはいていますが、トイレに行ってそのまま帰ってきます。これはどこの市場にいってもそうです。こんなことではだめです。やはり、安全性と健康性を考えていかなければいけませんので、日本で一番の木津卸売市場をつくろうと考えて、今、一生懸命燃やしています。

実は、食の大阪をつくっていくためには食の大学をつくらなければいけないということも考えています。調理師の専門学校はありますが、食の大学は日本のどこにもありません。でも、これからの食ということで、安全性などのさまざまなことがたくさん出てきたのは、ここ2〜3年です。そして健康性。これからは食をすることによって健康を伸ばしていくことが大切ということを勉強していく。そして、外食産業の経営をやっていけるような若者をつくっていくことも大事なポイントではないかということで、今そのことを一生懸命やっています。

私は13年前に初芝学園を引き受けて、どんどん改革しました。私の友人が公立の先生や私学の先生をやっていますので、知恵をお借りしてどんどん改革をしたら、どんどん変わってよくなってきたのは事実です。やはり、改革をしていかなければ、世の中はどんどん変わってきています。

最後に、食産業の大阪をつくろう、食産業大学をつくろうということで、先輩の偉い人に言ったら、「やれよ」ということになってきています。これから皆さんの知恵をお借りして、大阪で初めてと言われるような食産業の大学をつくっていくことによって、大阪は食産業だと言われるような大きな都市になるのではないかと考えています。

東京から大阪へおいしいものを食べに行こうということになり、九州からも北海道からも大阪に行こうということで、大阪の大きな特色ができてくるのが一番大切なポイントではないかと思って、全力をあげてやっていきたいと思っていますので、ご意見をちょうだいしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。